道路陥没、現場でカーブの下水道管 識者「硫化水素、腐食しやすい」
埼玉県八潮市の県道交差点で、28日に道路が陥没してトラックが転落した事故。専門家は硫化水素による下水道管の破損の可能性を指摘する。
埼玉県によると、事故現場の地下約10メートルには1983年から使用する直径約4.75メートルの大きな下水道管が交差点に沿って、カーブする形で通っている。元国土交通省技官で、東京大学大学院都市工学科の加藤裕之・特任准教授(下水道政策)は「カーブしている場所では下水の流れが遅くなるため、管内に硫化水素が発生しやすく、腐食が起きやすい」と指摘する。
国交省国土技術政策総合研究所によると、下水道管を流れる汚水に含まれるし尿や洗剤などから硫化水素が発生し、落差や段差の大きいところでかき回され、空気中に放出される。その後、管の内壁に付着している細菌の働きによって酸化し、液体の硫酸となって管が腐食、破損する原因となる例が多い。様々な管種の中でもコンクリート製が腐食しやすいという。
加藤氏は「現場付近は維持管理により注意が必要な箇所だったとみられる。ただ、ほとんどの自治体において、財政が厳しく人手も足りない中で、(5年に1回以上とする)法定以上の頻度で点検を行うのは難しい」と話す。
土砂流出続く現場、元は低地の湿地帯
芝浦工業大の稲積真哉教授(…
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