路線バスの自動運転 川崎で実証実験開始 東京・大田区結ぶルートも

佐藤英法
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 【神奈川】2027年度に一定条件のもとで無人運転ができる「レベル4」での営業運転をめざし、川崎市は、路線バスの自動運転の実証実験を始めた。川崎市と東京都大田区を結ぶルートもあり、市によると、都道府県をまたいでの実証実験は全国的に珍しいという。

 実証実験は2月上旬まで2ルートで行い、事前に申し込んだ市民が試乗できる。市は、バッテリーの性能を高めた最新型のEV車両を、国から全額補助を受けて約9900万円で購入した。

 運行事業は川崎鶴見臨港バス(川崎市)が担う。自動運転のシステムは、高精度の3次元地図情報とセンサー技術を利用した。自動運転時の最高速度は時速35キロという。

 27日に川崎区殿町であった出発式で、福田紀彦市長は「全国で運転手が不足し、本市も減便をしている。地域の足を守っていくためには最新の技術を駆使して、自動運転が補っていく」とあいさつした。

 その後、福田市長らは京急大師橋駅(川崎区)と京急天空橋駅(東京都大田区)とを結ぶ「羽田連絡線」(往復約8・8キロ)の一部を試乗した。このルートは、運転者が補助的に乗車する「レベル2」で運行する。

 出発式の会場から多摩川にかかる橋「多摩川スカイブリッジ」をわたり、京急天空橋駅まで往復したあと、福田市長は「ストレスなく乗れた。車線変更やカーブもスムーズだった。技術の高さに驚いた」と取材に答えた。

 もう一つのルートは、川崎駅東口―市立川崎病院(いずれも川崎区)間の「川崎病院線」(往復約2・6キロ)。ここでは運転者がハンドルを握る「レベル0」で運行し、データの蓄積を目的とする。

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