第2回ペットは「かけがえのない存在」 慰謝料を変えた20年前の裁判

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米田優人

 「真依子ちゃん事件」――。そう呼ばれるペット訴訟の裁判がある。

 2003年、渋谷寛弁護士(65)のもとを、糖尿病のスピッツ犬(当時9)を失った夫婦が訪れた。

 「絶対におかしい」。夫婦は、治療にあたった獣医師について、そう強く訴えた。愛犬の「真依子ちゃん」は02年末に嘔吐(おうと)などの症状が出て、動物病院に入院。その後に転院し、年明けに息を引き取った。「転院前の獣医師がインスリンを打っていれば、死ぬことはなかった」。夫婦はそう考えていた。

 渋谷弁護士はペットをめぐる社会問題を研究する「ペット法学会」に所属する。夫婦の代理人を引き受け、病院側に約438万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こすことになった。

「裁判官が理解してくれた」

 訴訟は、地裁のなかで医療訴…

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この記事を書いた人
米田優人
東京社会部|東京地裁・高裁
専門・関心分野
司法、刑事政策、消費者問題、独禁法