第11回「ヤサグレ主婦」だった私が卒婚を決意するまで 断捨離が変えた人生
「わたしが主婦を退職(?)する日。全身で懸命にこなしてきたけれど、『自立・自由・自在』の境地を、希望を持って目指します」
2014年1月。福岡市の檀葉子さん(69)はブログにそう書き込み、「卒婚」に踏み出した。
断捨離の第一人者として知られる、やましたひでこさん公認のトレーナーとして活動するため、33年間連れ添った夫のもとを離れ、一人暮らしを始めた。
同い年の夫と大学で知り合い、25歳で結婚。3男1女に恵まれた。取引先の接待に追われ、単身赴任や長期出張もしばしばあった夫は頼れず、専業主婦として家事と育児を一手に担ってきた。
大家族の食費や教育費がかさみ、自分にお金はかけられなかった。汚れが目立たない黒やグレーの服を着古し、近所のスーパーを回って特売品に目を光らす「ヤサグレ主婦だった」と思う。
子どもの部活動の応援と、一軒家の裏庭の物置に荷物を効率よく収納するのが、ささやかな楽しみだった。
そうして迎えた50代半ば。子どもたちが社会人になり、次々に家を去ると、焦燥感に駆られた。
「あたしの人生、こんなものだったのかな」
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- 【視点】
杉山由美子『卒婚のススメ : 後半生もハッピーに生きるため、結婚のかたちを変えてみる』(オレンジページ、2004年)を通して卒婚という言葉が最初に話題になったのは、20年ほど前だ。卒業という言葉のニュアンスが加わって「人生をさらに楽しむため
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