地方の消滅何が問題?都市経済学者の答えは「無理に維持する方が…」

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中山直樹
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A-stories 8がけ社会 消滅の先へ(インタビュー)

 地方の「消滅」危機が叫ばれて久しい。国は地方創生の旗を振り、自治体は人口を増やす手を打ってきたが、この10年、東京一極集中は進むばかりで解決の糸口は見えない。そもそも地方が「消滅」すると何が問題なのか。都会で暮らす人々にとってはどんな意味を持つのか。都市経済学の立場から100年先の日本の人口分布を研究する京都大学の森知也教授に聞いた。

 ――都会で暮らしていると、「地方の消滅」と聞いても実感が伴わないと感じる人も多いと思います。大都会で暮らす人にとって、地方が衰退したり消滅したりすると、どんな問題が生じますか?

 問題は少ないと考えています。厳しい言い方になりますが、むしろ無理に地方を維持する方が都会で住む人にとってコストになります。

連載「8がけ社会 消滅の先へ」

 地方の「消滅」危機が唱えられて10年以上が経ちました。日本の人口はさらに縮小し、並行して現役世代が2割減る「8がけ社会」へと向かいます。すべての自治体が今のまま続くとは考えにくい。だからこそ「消滅の先」を描こうとする各地の取り組みから、地方の未来を考えます。

 ――なぜでしょうか。

 まずはじめに、日本全体の人…

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この記事を書いた人
中山直樹
ネットワーク報道本部|都庁担当
専門・関心分野
人権問題、災害、人口減
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2025年1月28日8時9分 投稿
    【視点】

    「今後は都市に住み、地方で大規模な第1次産業をやる方向になる」これは私の知人からもよく聞く日本の将来像だが「でも、そもそもちゃんと【地方で大規模な第1次産業をやる】ことができるのか、そこが疑問でやばい」という話もよく聞く。つまり、産業として

    …続きを読む
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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2025年1月28日21時38分 投稿
    【視点】

    少しでも日本農業の歴史や経緯を知っている人なら「今後は都市に住み、地方で大規模な第1次産業をやる方向になる」というのは非現実的予測としか聞こえないと思うのだが…。私の知識不足かもしれないが(いちおう農学部農業生物学科卒)、人口分布の予測モデ

    …続きを読む