石木ダム建設の利水事業、再評価を諮問 佐世保市「新規水源が必要」
石木ダム(長崎県川棚町)建設の利水事業の再評価を、長崎県佐世保市が21日、市上下水道事業経営検討委員会に諮問した。委員会は、市が示す水需要予測や、事業の費用対効果を数回審議し、事業継続か、中止かなど対応方針案を答申する。
市は、答申を踏まえて対応方針を決め、3月末までに国に報告する。
市は1975年から水道水源確保のため、事業費の35%を負担し、長崎県と石木ダム建設を進めている。予定地の13世帯が移転を拒否するなど、反対運動も続いている。
委員会はこの日、市水道局から2043年度までの水需要予測と、安定供給に必要な施設の能力について説明を受けた。同局は、現在、安定的な水源から取水できる量は1日7万7千立方メートルだが、計画では約11万7700立方メートルが必要で、「約4万700立方メートルの新規水源確保が必要」と説明。委員会はおおむね承認した。
市は、石木ダムで不足分の約4万立方メートルを確保できると見込む。
再評価は、採択から長期間経った国庫補助事業で効率性や透明性を高めるため、国が5年に一度の実施を求めている。
石木ダムの再評価では、治水事業を担う県が今年度、総事業費約420億円、2032年度末完成に計画を変更して、事業継続する方針を決定し、すでに国に報告している。