住宅ローンに落とし穴 引っ越して貸し出し、国税と銀行が注目の理由

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中野浩至 小寺陽一郎
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 住宅ローンで買った自宅を転勤などで人に貸し出して、税金を追徴されたり、銀行から数倍の金利の支払いを求められたりするケースが相次いでいる。自分で住まなくなったのに税務署や銀行に届け出ず、優遇措置を受け続け、不適切だと指摘された。春の引っ越しシーズンを前に注意が必要だ。

 「引っ越したら住宅ローン控除が使えなくなると、なぜ言ってくれなかったんだ」。ある不動産会社には、客からこう苦情が寄せられたという。

 同社から相談を受けたマルイシ税理士法人(東京)の藤井幹久税理士によると、同社の仲介で家を買った会社員の客が、その後に転勤となり、家族も一緒に引っ越した。すると、住宅ローン控除の要件を満たしていないと税務署から指摘を受けたという。

 住宅ローン控除は、年末時点でのローン残高(最大上限5千万円)に0.7%を乗じた金額を、最長で13年間、所得税額や住民税額から差し引くことなどができる制度だ。転勤で家族を帯同して引っ越すなど、居住実態がなくなれば要件は満たさず、控除は申告できない。藤井税理士によれば「税務署からこうした指摘を受けることは珍しくない」という。

 税務署はなぜ目を光らせるのか。

記事の後半では、「うっかりミス」で住宅ローン控除が認められなかった実例、住宅ローンの不適切利用に対する主な銀行の対応について独自にまとめています。

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この記事を書いた人
中野浩至
東京社会部
専門・関心分野
税務、独占禁止法、事件・事故
小寺陽一郎
東京社会部
専門・関心分野
事件事故、消費者トラブル、不動産