唐招提寺の「うちわまき」の竹、今年も名張から 1700本を奉納

小西孝司
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 奈良・唐招提寺で5月に営まれる行事「うちわまき」に向けて、三重県名張市で切り出された竹約1700本が19日、同寺に奉納された。奉納は15回目で、「唐招提寺に竹を送る会」のメンバーら約30人が参加した。

 同寺では、鎌倉時代の高僧で寺の中興の祖、覚盛(かくじょう)上人の命日にあたる5月19日、ハート形のうちわ「宝扇(ほうせん)」を参拝者にまく「うちわまき」がある。名張からの竹送りは、寺の西山明彦・元長老が名張出身だった縁で2011年に始まり、奉納された竹は翌年の行事の材料として使われる。

 この日は、同市滝之原の龍性院で法要が営まれた後、長さ約3メートルの竹を積んだトラックとバスが出発。唐招提寺に到着すると、束ねた竹を参加者が担ぐなどして南大門から運び入れた。覚盛上人の坐像(ざぞう)を安置する中興堂では奉納式が行われ、岡本元興長老が読経をして謝意を示した。

 「送る会」の奥西勲会長(83)は「多くの人が協力してくれて、ありがたい限り。こうした縁をいただいていることもありがたい」と話した。

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