「ダンロップ」商標権を買い戻し 震災などで断念の世界展開、再着手

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清井聡
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 住友ゴム工業は8日、米グッドイヤーが欧米などで持つ四輪タイヤの「ダンロップ」の商標権を、5月をめどに5億2600万ドル(約830億円)で買い戻すと発表した。阪神大震災後に断念した世界展開に、再び着手するためという。

 ダンロップはタイヤのほか、テニスやゴルフなどのスポーツ事業でも世界的に知られる。住友ゴムの源流は英ダンロップ社の日本法人で、住友電工と住友商事が資本参加して1963年に「住友ゴム工業」に社名変更した。

 80年代には、経営難に陥ったダンロップ社を米独仏の現地法人も含めて買収し、世界展開を目指した。ただ、欧米事業がうまくいかなかったことや95年の阪神大震災で神戸市の本社や工場が被災したことで財務基盤が弱体化し、断念。99年から結んでいたグッドイヤーとの提携が終了した2015年に、欧米でのタイヤの商標権を同社に譲渡していた。

 製造拠点は引き継がず、当面…

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この記事を書いた人
清井聡
経済部
専門・関心分野
企業経営、ガバナンス、産業政策