ローマ字表記、70年ぶり改定へ意見公募 文化庁が「ヘボン式」案
Otani、Ohtani、Ōtani、それとも――。
様々なつづり方が混在している現状をふまえ、ローマ字表記の70年ぶりのルール改定を目指している文化庁が、英語のつづりに近いヘボン式を基本とする案を示した。1月13日までパブリックコメント(意見公募)を実施している。
現在ローマ字のつづり方は主に二つある。一つは1937年の内閣訓令で定められた訓令式だ。日本語の50音図にもとづいて子音と母音を規則的に配置する。例えば「し」「ち」は「Si」「Ti」となる。
54年には内閣告示を出し、「一般に国語を書き表す場合」は訓令式のつづり方を用いると定めた。小学校の現行の学習指導要領では、内閣告示をふまえて、訓令式を中心に教えるよう求めている。
もう一つのつづり方はヘボン式だ。幕末に来日した米国人宣教師が考案した。英語のつづりに近く、「し」「ち」は「Shi」「Chi」となる。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が駅名などの表示に用いたことから、身近な存在となった。
内閣告示の改定を視野に議論…
- 【視点】
訓令式は、我々が日常的に使用するローマ字表記と乖離がある。 そもそもヘボン式は日本語を読む外国人のために設計されているが、いまとなってはそちらのほうが日常的になっているからである。 また、外来語がこれだけ増えた現状から、「チ」と「ティ」など
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