起訴取り消し直後にアンケート、その後廃棄 大川原化工機めぐる捜査
軍事転用できる機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)への捜査を巡る国賠請求訴訟の控訴審が25日、結審した。
この問題を巡り、警視庁公安部が起訴取り消しの翌月の2021年8月、捜査の問題点を検証するアンケートを実施し、その後破棄していたことがわかった。
捜査関係者などによると、アンケートは捜査員らが対象。冒頭で、「今回の事案を受け、今後、我々が事件を立件していく上で、地検や経産省のハードルが上がることは間違いない」とした上で、「今後の捜査のあり方はどうあるべきかについて、思いの丈を述べていただきたい」などとして、「未来志向型の検証」とうたっていた。
無記名の記述式で、「検証ポイント」として五つのテーマが設定され計22問で構成。訴訟でも争点になった経済産業省の「輸出規制の法令解釈」についての見解のほか、実験結果や関係者の供述で不利になる「消極証拠」の存在の有無、取り調べでの不適切な対応などを問うた。
当初は聞き取りが予定されたが、「本当のことが話せない」との意見などを受けて記述式にした。回答は集約されたが、上層部から「アンケートではなく捜査書類の点検などを優先するべきだ」との意見があり、当時の担当課長の手元に残されたままになっていた。その後、引き継いだ2代後の担当課長が「裁判資料として出ている内容と変わらず、特段の内容がない」として破棄したという。
関係者によると、回答の中に…
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- 【視点】
せっかく検証を行い、今後の改善につなげようという趣旨で行われたアンケートを、生かすこともないまま廃棄した、という。アンケート結果には、冤罪・大川原化工機事件の捜査の問題点を具体的に指摘したものもあったようなのに、それを廃棄したのは、問題の
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