【アーカイブ】独裁者と呼ばれて 読売新聞グループ本社会長・主筆、渡辺恒雄さん
【2011年11月28日朝刊オピニオン面】
「最後の独裁者」、あるいは「メディア界のドン」「政界フィクサー」。人々は畏怖(いふ)の念を込めてこう呼ぶ。読売新聞グループ本社会長・主筆の渡辺恒雄氏(85)が、「清武の乱」への反論から、混迷する政治、そして東日本大震災と世界経済危機という国難に直面する中でメディアの果たすべき役割まで、2時間半にわたり熱く語った。
●清武の乱 僕は民主的だよ 感情と評価は別 「江川監督」もある
――読売巨人軍の代表兼ゼネラルマネジャー(GM)だった清武英利さんに「俺は最後の独裁者だ」と言ったそうですね。
「僕は民主的だよ。物事を決めるときには必ず人に相談することにしている。独裁者と書くメディアもあるが、面白いし、売れるからね」
――清武さんは10月20日に渡辺さんと会って、来季のコーチ人事案が了承されたと主張しています。
「秘書部の記録によると、午後5時33分から6時22分までの49分間話した。しかもコーチ人事の説明を受けたのは15分くらい。30人のリストを渡されたが、ほとんど顔も知らないし、清武が守ろうとした岡崎郁ヘッドコーチも分からない」
――でも目を通したんですよね。
「『これで発表します。確定人事です』と言われれば、『ちょっと待て』と言った。だから、『そうか』とは言ったが、実際はほとんど見ていなかった。しかもまだクライマックスシリーズを控え、シーズンは残っていた。それなのに清武は確定人事として発表までしたんだ。11月4日に報道陣に対してコーチ人事のことは聞いていないと言ったのは、発表することまでは聞いていないという意味だ」
「三つ年上の先輩を連れてき…
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