アサド政権崩壊「お祝いまだ早い」 日本に住むシリア人、喜びと不安

有料記事

関口佳代子 太田悠斗
[PR]

 シリアでのアサド政権崩壊を受けて、日本に住むシリア出身者たちは喜ぶ一方、母国の行く末への不安の声もあがった。

 シリア出身の留学生、ザイド・アルスライマンさん(22)は、アサド政権崩壊を伝えるネットニュースを見て、父親に「おめでとう」と伝えた。「やっとだよ」と返ってきたという。

 2011年の内戦勃発以降、国内で避難生活を続け、16年からはトルコへ。22年、日本で学ぶ機会を提供する公益財団法人「パスウェイズ・ジャパン」の支援プログラムを受けて来日した。日本語を学び、来春から日本の大学の情報学部に入学する予定だ。

 両親やきょうだい4人は今もトルコ国内にいる。政権が倒れた8日は両親とアプリで会話し、寝ずに過ごした。トルコでは難民への風当たりが強くなっているといい、家族は「1年以内にシリアに戻れるか」と気にしていたという。

 政権を打倒した反政府組織の中核「シャーム解放機構」(HTS)は米国や国連からテロ組織に指定されている。先行きはまだ不透明だが、ザイドさんは「新政府をつくろうとする人たちの全てがテロ組織ではない。シリア国民は歓迎している。アサド政権より状況が悪くなることはないと思う。楽観的だ」。いつか平和なシリアに戻って働きたいと願っている。

喜んでいるけれど「未来がはっきり見えない」

 東京都内の大学で国際関係学

この記事は有料記事です。残り535文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
関口佳代子
東京社会部
専門・関心分野
家族、性に関する問題