「冬になったら命が危険に」公園で耐える難民申請者 人の尊厳とは

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定塚遼
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現場へ! ホームレス難民(5)

 「ここが、私のベッドだよ。変わらず。この5カ月間」。11月の東京都内の公園で、アフリカ出身の難民申請者ジョゼさん(仮名)はそう言って、土の上に置かれた数枚の段ボールを指さす。

 ジョゼさんとは6月にこの公園で知り合った。その後、食事をしたり公園で話を聞いたりしてきた。難民申請者への唯一の公的支援である保護費を申請したが、結果が出ず、路上生活は5カ月に及んだ。民間の支援団体も、財政的に妊婦や子ども、病人への支援で精いっぱいで、30代で持病のないジョゼさんまで、なかなか支援は届かない。

 控えめで理知的な印象を受ける人だが、路上生活が長くなると、少し受け答えが難しくなるときもあった。公園で寝て、十分な栄養を取れない生活は、みるからに彼の精神をむしばんでいた。

人間の尊厳は相対化されない」

 人の尊厳とは何か。逃れた先…

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この記事を書いた人
定塚遼
文化部|企画など
専門・関心分野
音楽など文化全般。生きづらい人を減らす取り組み