6カ所の河川流入水でPFAS基準値超え 熊本市が産廃処分場調査
熊本市は6日、市内の産業廃棄物処分場全8カ所からの河川流入水を調べた結果、6カ所で国の暫定基準値を超える濃度の有機フッ素化合物(総称PFAS)が検出されたと発表した。これまでの河川水の検査でも基準値を超えた地点があり、産廃処分場の排水が原因になったケースもあるとみられるという。
PFASは発がん性が指摘されていて、国は合計で1リットルあたり50ナノグラムを水質管理上の暫定の基準値としている。
今回調査した処分場のうち1カ所は、排水が2900ナノグラム、水路などを経由して井芹川に流れ込む水が、600ナノグラムと特に高濃度だった。
市が昨年実施した井戸水の水質検査では、北区植木町と中央区九品寺の2地点で、最大で基準値の7倍を超える濃度のPFASが検出された。原因究明のため、市は周辺の井戸や河川水も調査。今回は河川水への影響を調べるため、民間の産廃事業者の協力で排水などを検査した。ただ、処分場内の地下水の検査結果や位置関係などから、昨年判明した井戸水の基準超過との因果関係は薄いと市はみている。
大西一史市長は記者会見で、有識者らによる専門家委員会を年度内に新設し、原因の究明を進めると表明。「熊本の水ブランドを守るため、事業者や関係機関と連携して対策に取り組んでいく」と話した。