袴田さんも直面、死刑は「国際法違反の疑い」 国連報告者が示す根拠
日本の死刑制度が国際法に違反する疑いがあるとして、国連人権理事会に任命された「特別報告者」が日本政府に対し、執行方法の見直しや執行停止の検討を求める通報を行った。人権問題の専門家である特別報告者が、日本の死刑制度に特化して通報するのは初めてとみられる。
日本では今年10月に死刑囚だった袴田巌さん(88)の再審無罪が確定し、11月には学者や国会議員、元検事総長らの「日本の死刑制度について考える懇話会」が「冤罪(えんざい)などの根源的な問題をはらむ」として、死刑の執行停止を求める提言をまとめた。こうした状況をふまえ、「特別報告者の意見は重く、誠実な対応が求められる」と識者は指摘する。
11月下旬に国連がウェブサイトで公表した通報は、死刑の執行が当日朝まで本人に告知されず家族も事後まで分からないこと▽再審請求中の執行が相次いでいること▽絞首刑という方法――などは「非人道的な刑罰」を禁じた国際法に触れる恐れがあると指摘。男女問わず、独居房が天井のカメラで24時間監視され、着替えやトイレに行く場面まで記録される処遇についても問題視した。
死刑が取り返しのつかない刑…
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