第2回クマ対策の日米の違い、学ぶべきことは?  両国を知る専門家にきく

有料記事クマと生きる 悩むアメリカの現場から

聞き手・伊藤恵里奈

A-stories クマと生きる 悩むアメリカの現場から

 民間の「野生動物保護管理事務所」に所属する大西勝博さん(42)は米国に15年間滞在し、野生動物管理学の博士号を取得しました。大学の研究機関で経験を積んだ後に帰国し、いま、日本の大型哺乳類の獣害対策から施策立案まで携わっています。クマをめぐる米国の現状や日本との違いについて話を聞きました。

――まずは米国で生息するクマをめぐる状況を教えてください。

 米国には、アメリカクロクマ、ハイイログマ(グリズリー)、ホッキョクグマの3種が生息しています。クロクマだけで約34万頭(2021年、アラスカ州を除く)がいます。

 米国でもクロクマの数が急速に増えて問題になっています。特に東海岸北部では生息域が拡大し、農業被害や住宅街への出没が急増しています。

クマによる人身被害を減らすためには、何が必要なのでしょうか。狩猟でクマを捕ることは、人身被害や人里への出没防止に効果があるのでしょうか。

――人身被害は起きていますか。

 日本よりはるかに少ないもの…

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