元刑事裁判官の木谷明さん死去 30件超の無罪判決、司法問題を発信

米田優人

 刑事裁判官として30件以上の無罪判決を出したことで知られる元裁判官で弁護士の木谷明さんが21日、急性心筋梗塞(こうそく)で死去した。86歳だった。葬儀は近親者らで行った。所属する法律事務所が29日、明らかにした。

 神奈川県平塚市出身。東大法学部在学中の1960年に司法試験に合格し、63年に裁判官に任官。最高裁調査官や水戸地裁所長、東京高裁部総括判事などを歴任した。

 2000年に退官後、法政大法科大学院教授や弁護士として活動し、刑事司法のあり方についてメディアなどで積極的に発信した。著書に「刑事裁判の心」や「『無罪』を見抜く」などがある。

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この記事を書いた人
米田優人
東京社会部|最高裁
専門・関心分野
司法、刑事政策、消費者問題、独禁法
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    江川紹子
    (ジャーナリスト・神奈川大学特任教授)
    2024年11月29日20時9分 投稿
    【視点】

     まさに、刑事司法界における巨星墜つ。この報に呆然としているのは、私だけではないだろう。  その知識と経験が多くの専門家たちの尊敬を集める存在なのに、少しも権威ぶることなく、年を重ねても、刑事司法の第一線で人権と司法の改革のために奮闘された

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    明石順平
    (弁護士・ブラック企業被害対策弁護団)
    2024年11月29日22時35分 投稿
    【解説】

    30件以上と言われる木谷先生の無罪判決は、全て逆転されることなく確定している。 そもそも、検察官が控訴したのが1件しかない。 袴田事件の悪あがきからも分かるように、検察官の執念深さは異常である。その検察官に控訴すら諦めさせる鉄壁無敗の判決

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