温暖化関連の審議会で委員が「意見止められた」と訴え 環境相は釈明

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市野塊

 環境省と経済産業省による2035年度の温室効果ガスの削減目標を議論する審議会で、委員の1人が書面による意見表明の機会を環境省に止められたと訴えている。浅尾慶一郎環境相は29日の閣議後会見で「妨げる意図ではなかった」と釈明した。

 訴えているのは、再生可能エネルギーを供給する新電力「ハチドリ電力」社長の池田将太さん。11月25日の審議会で、経緯を説明した。10月末にあった審議会を欠席する際、代わりに意見書を提出しようとしたところ止められた、と主張。「この進め方で正しい方向性の政策が作れるのか。改めてこの会議の在り方を考えたい」と指摘した。

 池田さんによると、意見書は「温室効果ガスの削減目標を2013年度比75%減、電源構成における再エネ比率60%」を求めるものだという。

 環境省によると、審議会の前日に池田さんからメールで意見書の提出があり、それに対して職員が電話をかけて「内容が議題と合わないので次回にさせてほしい」と求めたという。

 ただ、審議会では欠席する委…

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この記事を書いた人
市野塊
科学みらい部兼国際報道部|環境省担当
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー
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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2024年11月29日21時7分 投稿
    【視点】

    審議会がコメントをするだけの場所になっていて、すでに役所が決めている落とし所に調整する場になってしまっていると言う指摘は、とても重要だと思います。このような声が排除されることなく、会議で受け止められ、きちんと議論が進むことを願います。

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2024年11月30日20時19分 投稿
    【視点】

    「温室効果ガスの削減目標を13年度比60%減を軸」の議論に対し、池田さんが「75%減」を求めるコメントをしたのに対し、「議題が必ずしも合致していない」は筋が通らないのではないか。 そもそも、「審議会が忌憚のない意見を出して議論する場になっ

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