大河「べらぼう」で盛り上がるゆかりの地 「出版王」蔦重の夢の足跡

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石平道典

 来年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重(つたじゅう)栄華(えいが)乃(の)夢噺(ゆめばなし)~」は、現在の東京都台東区や中央区などが主な舞台となる。主人公は、江戸時代に版元として多くの作家を世に出した「蔦重」こと、蔦屋重三郎(1750~97)。江戸文化や蔦重について知ってほしいと、ゆかりの地はPRに力を入れている。

伝えたい「類いまれなるプロデュース力」

 「江戸の出版王」とも呼ばれる蔦重は、江戸郊外の新吉原(現在の台東区千束)で生まれた。22歳のときに吉原大門前で書店「耕書(こうしょ)堂」を始め、貸本業から書籍編集・出版業に乗り出す。大田南畝(なんぽ)や山東京伝ら文化人と交流を深め、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった浮世絵師を世に送り出した。ドラマでは俳優の横浜流星さんが演じる。

 台東区は今年1月、町会や商店街などと「台東区大河ドラマ『べらぼう』活用推進協議会」を設置。また、区文化振興課内に「大河ドラマ活用推進担当」を新設し、専従職員8人を置いた。マスコットキャラクター「つたいやん」や、耕書堂の版元印をモチーフにしたロゴマークを作り、区と蔦重の関わりを紹介するサイト「蔦重ゆかりの地 台東区」(https://taito-tsutaju.jp/別ウインドウで開きます)も開設した。

 さらに、年明けには、区民会…

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この記事を書いた人
石平道典
東京ネットワーク報道本部|首都圏ニュースセンター
専門・関心分野
地域取材、東京23区、教育、文化