「育児する男性社員の孤立を防げ」上司のあなたの行動が会社を変える

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聞き手・伊木緑
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 育休を取得したり、復職後も育児を主体的に担ったりする男性が増えています。育児と仕事の両立にはどんな課題があるのでしょうか。男性のジェンダー観とキャリアについて研究しているリクルートワークス研究所の筒井健太郎さんに聞きました。

――育児を担う男性が増えました。どんな背景がありますか。

 政府の「イクメンプロジェクト」が始まったのが2010年。これに先立ち、00年くらいから米国で「仕事と家庭は対立するのではなく、相互に高め合う関係になる」という考え方が広まりました。欧州でも「ケアリング・マスキュリニティー」(ケアする男性らしさ)という動きが起きました。この場合の「ケア」とは、一義的には育児を指し、欧州連合(EU)では政策にも組み込まれました。欧米における価値観の変化は日本にもじわじわ浸透し、男性の意識に変化を与えたと評価できます。これに政策や企業内での施策がかみ合い始めたのがここ数年です。

――いまの30代前後は特に価値観が変化しているように感じます。

 関西大の多賀太教授(ジェン…

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この記事を書いた人
伊木緑
東京社会部
専門・関心分野
ジェンダー、メディア、スポーツ
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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2024年11月19日11時30分 投稿
    【視点】

    自分も厚労省時代に男性育休取得促進のための制度改正に携わった経験があるが、記事にある「日本は共働き・共育てモデルを支援するための社会政策は強力だが、社会規範が脆弱(ぜいじゃく)である」との指摘はうなずける。 日本の育休制度や休業中の給付金

    …続きを読む
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    上西充子
    (法政大学教授)
    2024年11月19日11時30分 投稿
    【提案】

     記事で紹介されているメアリー・ブリントン教授は、著書『縛られる日本人』(中公新書、2022年)のなかで、自社の男性社員たちがどれくらい育児休業を取得したいと思っているか、企業がデータを取って社内で周知することを求めてはどうか、と提案してい

    …続きを読む