第3回際立つ生活保護申請却下率の高さ、理由は? 窓口のブラックボックス

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編集委員・清川卓史

 群馬県桐生市で生活保護利用者が10年間で半減した要因はなにか。

 明らかになったのは、申請に対する「却下率」の異様な高さだ。

 生活保護利用の申請を受けた自治体の福祉事務所は、申請者の収入や資産の状況などを調べる。生活保護の基準となる最低生活費を上回る収入があると判断した場合、申請を「却下」する。

 有識者や支援団体でつくる「桐生市生活保護違法事件全国調査団」(「全国調査団」)が4月、市に公開質問をして得た回答を公表した。

申請の半数近くが却下の年も

 それによれば全国平均(2022年度)の却下率は7.5%なのに対し、桐生市ではここ10年間、30~40%台で推移。最も高い21年度には48%に達した。申請者の半数近くが却下されていることになる。

 際立つのは大半を占める「境界層該当措置」にともなう却下だ。

 境界層該当措置とはなにか。

 対象になるのは、医療・介護…

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