「国際法違反」中東各国が非難、イスラエルのイラン攻撃に懸念相次ぐ

 イスラエル軍が26日、イランへの報復攻撃を行ったことを受け、周辺諸国などからイスラエルへの非難の声が上がった。一方、中東情勢の緊張激化を懸念する声も相次いだ。

 サウジアラビア外務省は26日、イスラエルによるイランへの攻撃について、「主権の侵害で、国際法・規範に違反する」として非難する声明を発表。「地域の安定を脅かす紛争の拡大を拒否するという揺るぎない立場を確認する」と強調した上で、「すべての関係者」に対し、「最大限の自制とエスカレーションの緩和を求める」とした。

 サウジは昨年10月にパレスチナ自治区ガザでの戦闘が勃発するまで、米国の仲介のもと、イスラエルとの関係正常化に向けた動きを進めていた。

 イスラエルとガザのイスラム組織ハマスの停戦交渉で仲介役を務めてきたカタールの外務省は、今回の攻撃を「イランの主権を侵害する、明らかな国際法違反で、強く非難する」とする声明を出し、「国際社会に対し、緊張を緩和し、この地域、特にガザとレバノンの人々の苦しみを終わらせるための努力を強化するよう求める」とした。

 同じく仲介役を務めるエジプ…

この記事は有料記事です。残り844文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【秋トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    錦田愛子
    (慶應義塾大学教授=中東政治、難民研究)
    2024年10月27日11時25分 投稿
    【視点】

    国の存続を脅かす軍事的脅威に対しては、どこの国も安全保障上の自衛権をもつ。この点については異論のないところで、イスラエルも当然ながらに自衛権がある。だがガザやレバノンで行われている攻撃は、自衛の範囲を超えて民間人に甚大な犠牲を出している。ゲ

    …続きを読む
ガザ戦闘から1年 現地通信員が見た戦場

ガザ戦闘から1年 現地通信員が見た戦場

ハマスとイスラエルの衝突から1年。ガザで生まれ育ったマンスール通信員の思いを、メッセージアプリのやり取りから伝えます。[もっと見る]