首脳会談で雪解けは進む? 今や「非同盟」ではないインドの対中戦略

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聞き手・伊藤弘毅
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 インドのモディ首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が23日、約5年ぶりに会談しました。国境において領土問題を抱える両国は、緊張関係にあると見られていました。なぜ会談が実現したのか。今後の日印関係や、国際秩序にどんな影響を及ぼすのか。インドの国際関係に詳しい、中京大学の溜(たまり)和敏教授に聞きました。

 ――インドと中国の首脳が会談しました。

 意外だという印象はありません。6月のインド総選挙以降、7月に両国の外相が会談するなど、関係改善に向けたレールが敷かれてきました。

 インド側は総選挙後、中国からのインドへの投資を認可するなど、関係改善への意欲をあからさまに示していました。中国側も5月、空席だった駐インド大使を任命するなど、双方が必要な手順を踏んだ印象です。

 ――2020年に印中の国境地帯で起きた軍事衝突以降、モディ政権のインドは中国との関係を断つ方向に動きました。

実現難しかった中国との「切り離し」

 その後の4年余りで、特に経…

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この記事を書いた人
伊藤弘毅
アジア総局員兼ニューデリー支局員|アジア経済担当
専門・関心分野
南アジア、東南アジア、開発、エネルギー