15歳人口の減少や、高校授業料の実質無償化の動き、埼玉県立の男女別学高校の共学化をめぐる議論などを背景に、あらためて公立高校の役割が問われている。こうしたなか、埼玉では全ての県立高校生が他校の夏季講習も受講できる制度が導入されている。題して「チーム県立」。選ばれる公立高校であり続けるためのとりくみを取材した。
【まなviva!】(まなび場)
幼い子から人生のベテランまで。「学ぶ」をとりまく喜怒哀楽や最新事情を伝えます。
8月下旬、埼玉県蕨(わらび)市の県立蕨高校の教室では、生徒7人が夏季講習の「生物実験考察問題演習」の授業を受けていた。
「図を描いてみてもいいと思います」「記述内容は後で添削します」。同校の大塚一紀教諭(41)が、国立大入試の過去問などをもとに作った教材に沿って、ポイントを解説していく。
教壇にはパソコンが置かれ、問題は黒板のスクリーンに投影。パソコンに映る範囲だけに板書する。オンラインで受講する他校の生徒への配慮だ。宿題はPDFにして、県立高校共通のオンラインシステムにアップし、回答の添削もする。取材当日は欠席だったが、この授業は他校の生徒2人も受講した。同校は今夏の夏季講習で、3年生対象の44講座のうち7講座を配信したという。
女子校→男子校、男子校→女子校の受講も可
埼玉県は2022年度から…
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