更なるタワマン建設は「無駄」それとも「集住に効果」?読者と考える

有料記事8がけ社会

小川聡仁

フォーラム まちの未来を考える:1 住宅政策は 

 「タワマン」の建設ラッシュが止まらない。

 不動産調査会社の東京カンテイによると、20階建て以上の分譲タワマンは2023年末時点で国内に1515棟あり、24年には全国で計43棟が完成する。

 活況は需要の高さに支えられている。都市中心部の好立地に立ち、共働きで高収入世帯の「職住近接」のニーズに応える一方で、価格高騰を背景に投資目的で購入する人も少なくない。人口増の起爆剤に、と自治体が市街地再開発事業の中核に据えることも多い。

 そんなタワマン人気に待ったをかけたことで、神戸市が注目されている。20年から市条例でJR三ノ宮駅南側の繁華街一帯の22・6ヘクタールで住宅新設を禁じ、さらにその外側の新神戸駅から神戸駅にかけての市街地292ヘクタールで容積率400%を超える住宅建設を規制した。結果、市中心部でタワマンが事実上新築できなくなった。

 朝日新聞は連載「8がけ社会」で、神戸市のタワマン規制を取り上げた。久元喜造市長は「人口が減るのが分かっていながら住宅を建て続けることは、将来の廃棄物を造ることに等しい。タワマンはその典型」と取材に語った。

 一方で、神戸市は人口減少に直面している。人口のピークは11年で、政令指定市では後発の福岡、川崎両市に追い越され、昨年10月には150万人を切った。

神戸市のタワマン規制を評価する声

 都市の将来とタワマン建設についてどう考えるか。朝日新聞デジタルのアンケートで意見を募ったところ、タワマン規制を前向きに評価する声も寄せられた。

 多くの人が懸念するのは、日…

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