「ニュースを避けたい」と思う人が増えている 澤康臣さんが語る背景
聞き手・中島鉄郎
戦争や災害、政治に事件や犯罪。重要なニュースは決して愉快ではないが、大事なはずだ。そんな核心的なニュースを避ける人々が世界的にも目立っているという。その理由や背景について、早稲田大学教授の澤康臣さんに聞いた。
英オックスフォード大学のロイタージャーナリズム研究所は、人々のニュースへの態度を調査しています。ニュースへの関心自体の低落傾向が続く中、2024年調査(47カ国・地域が対象)では「あえてニュースを避けている」人の割合が39%に上りました。17年から10ポイント上昇し、避けていたニュースは戦争や災害、政治などでした。
このように、情報の中でニュースだけを避けようとする傾向は「選択的ニュース回避」(selective news avoidance)と呼ばれ、注目されています。
従来の「ニュース離れ」は実…