「派閥の影響なくならない」日本社会の事情 米識者が見る自民総裁選

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聞き手・鈴木峻

 立憲民主党の代表選が終わり、27日には自民党総裁選が投開票を迎えます。自民総裁選には史上最多の9人が立候補し、早くも決選投票を見据えた駆け引きが熱を帯びているようです。こうした日本政界の動きは、海外からはどう見えるのか。米国で日本政治の分析を続ける政治評論家のトバイアス・ハリス氏は、「派閥の影響はなくならない」と指摘します。

トバイアス・ハリス氏

 Tobias Harris 1982年、シカゴ生まれ。コンサルティング会社「Japan Foresight」代表。2006~07年に日本の参議院議員のスタッフを務めた後、日本政治などに関するブログ「Observing Japan」を開設し、最新情勢を分析・発信している。20年に安倍晋三元首相の伝記「The Iconoclast」を出版した。

 ――立憲民主党は野田佳彦元首相を代表に選びました。

 野田氏は2012年に政権を失い、成功した首相とは言えません。それでも党内で支持を集めたのはなぜか。政策よりも、「経験豊富な指導者」が求められた結果だと感じます。

 野田氏は自身を「中道保守」と表現しており、一部の自民党支持層を取り込むことができる可能性もあるでしょう。その自民党総裁選からも目が離せません。

争う3候補、それぞれに印象

 ――自民党は石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安全保障相が激しく争っているようです。

 石破氏は日米地位協定の見直…

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この記事を書いた人
鈴木峻
国際報道部
専門・関心分野
政治、戦争、近代史、教育、貧困問題