「つらい」語り合う場を 認知症の行方不明者家族 支え合いの会設立
坂本純也
「どこかで必ず生きていると思っています」
長崎市の江東愛子さん(46)が、行方不明になった父を捜し始めて、もうすぐ1年半になる。この間、少しでも手がかりがあれば県外にも出向き、懸命に捜索を続けてきた。
父・坂本秀夫さん(74)は長年、ホテルや洋食店で腕をふるった料理人だった。2012年、62歳の時にアルツハイマー型認知症と診断された。症状は比較的軽く、進行も緩やかだったため、その後も投薬治療を続けながら6年ほど厨房(ちゅうぼう)に立った。時折、記憶があいまいなことはあったが、身の回りのことはほとんど自身でこなせ、名前や住所も忘れることなく、買い物や床屋に行くこともできた。
突然姿を消したのは、2023年4月16日。73歳になっていた。午後4時ごろ、長崎市の自宅から日課の散歩に出かけたまま戻らなかった。
行方不明になる直前まで母・…
- 【視点】
今年6月に開かれた「認知症の人と家族の会」の全国総会で、若年性認知症の妻(当時59歳)が昨年8月から行方不明となっている鳥取県米子市の荒川勉さんが、自らの経験を報告しておられたことを思い起こしました。荒川さんは、初期対応における反省点など
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