自民党総裁選、12日告示 9人が立候補表明 全国8カ所で演説会へ

笹川翔平 国吉美香

 岸田文雄首相(自民党総裁)の後継を決める総裁選は12日に告示される。これまで9人が立候補を表明しており、過去最多の5人を上回ることが確実な情勢だ。裏金事件を機に深まる「政治とカネ」の問題をはじめ、国のかじ取りをいかに担うか、15日間の論戦が繰り広げられる。

 総裁選にはこれまで、小林鷹之前経済安全保障相(49)=二階派=、石破茂元幹事長(67)=無派閥=、河野太郎デジタル相(61)=麻生派=、林芳正官房長官(63)=旧岸田派=、茂木敏充幹事長(68)=茂木派=、小泉進次郎元環境相(43)=無派閥=、高市早苗経済安保相(63)=無派閥=、加藤勝信元官房長官(68)=茂木派=が立候補を表明。11日に上川陽子外相(71)=旧岸田派=も立候補表明会見を開き、計9人が名乗りを上げた。

野田聖子氏、斎藤健氏は立候補断念

 一方、野田聖子元総務相(64)=無派閥=は11日、国会内で会見し、国会議員20人の推薦人確保に見通しが立たず、出馬を見送ると表明。「なるべく若い人に担ってもらいたい」と、小泉氏の支援に回る意向も明かした。同じく出馬を模索していた斎藤健経済産業相(65)=無派閥=も同日夜、経産省で記者団に「撤兵する」と語り、立候補を断念する考えを示した。

 今回の総裁選で候補者が増えたのは、派閥の裏金事件の影響が大きい。6派閥のうち麻生派を除く5派閥の解散が決まり、従来のような派閥単位で候補を擁立する動きが影を潜めている。9人のうち派閥の領袖(りょうしゅう)は茂木氏のみで、茂木派と旧岸田派から2人ずつが出馬する異例の展開だ。

 同日、総裁選の選挙管理委員会が開かれ、27日の投開票日まで、全国8カ所で演説会や討論会を開くことも決まった。経済財政、選択的夫婦別姓、働き方などの各政策で立場の違いもあり、激しい論戦が予想される。

自民党総裁選の主な日程

12日 告示、所見発表演説会

13日 共同記者会見

14日 日本記者クラブ主催討論会、演説会(名古屋市)

15日 演説会(福島市)

16日 党青年局・女性局主催討論会(金沢市)

17日 演説会(那覇市)

18日 演説会(松山市、大阪市)

19日 演説会(東京)

20日 演説会(松江市)

22日 政策討論会①(ネット中継)

23日 政策討論会②(ネット中継)

24日 政策討論会③(ネット中継)

26日 党員投票の締め切り

27日 投開票…

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この記事を書いた人
笹川翔平
政治部|首相官邸担当サブキャップ
専門・関心分野
国内政治、地方自治、民主主義