自民総裁選 「刷新感」強調ではなく、求められる自己改革と政策論争
9月の自民党総裁選で選ばれる新総裁に求められる資質は何か。岸田文雄首相が不出馬を表明した14日の記者会見の中に、そのヒントがある。
「政策を進めるためにも信頼回復に努めなければならない。その第一歩として、私自身の身の処し方を決断した」
首相はこう述べ、低支持率が退陣の理由であることを暗に認めた。周囲には「私は総裁選に勝てるかもしれない。だが、その先の総選挙は厳しい」と漏らす。
現在の衆院議員の任期は来年10月まで。それまでに総選挙が行われる。来年夏には参院選も控える。この状況下で、自民党議員が次期総裁に「選挙の顔」の役割を期待するのは無理もない。
「刷新感」アピールは自民のお家芸だが
19日に先陣を切って出馬表明した小林鷹之前経済安全保障相(49)に、派閥を越えて中堅・若手から支持が集まるのも「刷新感」への期待からだ。小林氏は早速、テレビ各局を回って「政治資金問題の対応過程で崩れた党のガバナンスを新しく作り直す」などとアピールした。
小林氏の意思とは関係なく「…
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- 【視点】
自民党総裁選での判断材料のひとつとして、「選挙の顔」が取りざたされるようになったのは、蔵相などを務めた橋本龍太郎氏が名乗りをあげた1995年の総裁選あたりからでしょうか。当時は自社さ連立政権で、河野洋平総裁は党内力学を背景に総裁再選を断念。
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