給排水は地域で自立できるか 能登半島の被災地で考えた

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 災害時のインフラ途絶にどう備えるか。電気は太陽光パネルと蓄電池、炊事はガスや灯油のコンロなどを準備できそうだが、安全な水の確保と廃水の処理は簡単ではない。ミネラルウォーターの備蓄に努めてもトイレや風呂、洗濯に使うには足りない。

 能登半島地震の被災地で、山梨大学などのチームが、給水と排水を一体とした支援の実証に取り組んでいると聞き、取材した。

 石川県輪島市の山間にある集落で、山梨大の西田継教授らのチームが「モバロカー」と名付けた移動型の浄水装置をワゴン車に積んでいた。この装置は、車の屋根に乗せた太陽光パネルを電源に、水路や沢、井戸などから水を吸い上げて浄化する。フィルターによる汚れ除去と紫外線による殺菌で、1分間に数リットルの水を処理できる。

 西田教授は「水の供給と処理…

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