駐日パレスチナ代表「広島は抑圧者を招待」 8・6式典の対応で批判
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が続く中、広島市は平和記念式典にイスラエルを招き、パレスチナは招かない。一方、長崎市は逆の対応をとっている。駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム代表がメールで取材に応じ、「広島は抑圧された人々の側に立つのではなく、抑圧する側を招待することを選んだ」と批判した。
シアム代表は広島を「破壊的な原爆投下を経て平和を象徴する都市」と表現し、イスラエルは「ガザへの核兵器使用の検討や虐殺・民族浄化行為の継続により、パレスチナ人の絶滅を呼びかけていると非難されている」と主張している。その広島がイスラエルを招待したことに「失望している」という。
シアム代表は、6日に原爆ドーム近くである市民集会にリモート参加するという。「ガザで現在も続く残虐行為を世界に訴えたい」
広島市は招待する対象を、核兵器禁止条約の非署名・非加入国の首脳と、政府が国家承認する国の大使としている。パレスチナは条約を批准しており、日本から国家承認されていないため、式典に招かれていない。松井一実市長も「今までのやり方を踏襲した」と説明した。ただ、各国の招待の方針について「理解が行き渡っていない」として、来年以降は「参列要請の方法を見直す」とも述べている。
イスラエルには5月末に招待状を送り、「現在起きている武力衝突により、多くの人々の命と日常が奪われている」と指摘し、「極めて遺憾」「一刻も早く停戦し、対話により問題解決することを願っている」などとメッセージを書き添えている。
長崎市とは対応分かれる
一方、長崎市は8月9日の平…