「中城島にんじんは地域の宝」 国の知的財産登録で祝賀会
沖縄県中城村特産の「中城島にんじん」が農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に島野菜として初めて登録されたことを受け、生産する同村野菜産地協議会とJAおきなわは19日、関係者を招いた祝賀会を吉の浦会館で開いた。生産者は「中城島にんじんは地域の宝。さらなる生産の活性化を目指す」と意気込みを示した。
中城島にんじんは、鮮やかな黄色の根色とごぼうのような細長い形状が特徴の島野菜。戦前から、村内の生産者だけで自家採取した種子を使用し、系統を維持してきた。
GIは、地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物・食品を知的財産として国に登録することができる制度で、専用マークを付けて販売でき、消費者が品質の良さを知るきっかけにもなる。中城島にんじんの登録は3月27日付。
祝賀会では、比嘉麻乃村長から生産農家ら8個人4団体に感謝状が贈られた。
受賞者を代表してあいさつしたユートクファーム=同村和宇慶=の安里雄徳代表(59)は「栽培は暑い真夏の時期から畑を準備する。通常なら8月下旬に種をまき、間引き作業や追肥などを行って、約100日を過ぎた頃に収穫の時期を迎える。一つ一つの作業が大変な農作物だ」と説明。「今後も地域の宝の生産を活性化するため、制度を活用して地域一丸となって取り組みたい」と話した。
同協議会によると、村内では現在約40戸の農家が生産し、2024年度は約50トンの出荷を目指している。
比嘉村長は「島にんじんは沖縄の食文化に欠かせない伝統野菜として愛されている。地域の宝として次世代に受け継ぐ基盤を強化し、登録を新たなスタートとしてさらなる生産振興に取り組む」と決意を語り、生産者を激励した。
その他の感謝状の受賞者は次の通り。(敬称略)
【個人】新垣善吉、新垣幸雄、安里昌治、瀬名波英則、仲松重雄、宮平守信、與儀安一【団体】中城村農業村生活研究会、沖縄美ら島財団、オキコ、ハートコネクション(ラーメン暖暮)…