映画で脚光の「人工心臓」 監修は半世紀開発に関わる大田区の町工場
滝沢貴大
生まれつき心臓疾患のある娘のため、人工心臓の開発に奮闘する町工場の男性を描いた映画「ディア・ファミリー」が公開されている。作中に登場する人工心臓の監修・機材提供を担ったのは、半世紀以上にわたって人工心臓の開発に携わってきた東京の町工場だ。
有限会社「安久工機」は、町工場がひしめく大田区の一角にある。従業員5人ほどの小さな会社だが、創業した1969年から、研究用の人工心臓の開発を手がけてきた。
「うちは、今でいう『医工連携』を50年以上やってきた」と話すのは、社長の田中隆さん(68)。父の故・文夫さんから2006年に会社を引き継いだ。
技術力に目を付け 町工場に白羽の矢
隆さんによると、文夫さんは…