地元の悲願、佐渡金山が世界遺産に 朝鮮半島出身者の展示に評価も
「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産への登録が27日、決まった。国推薦の「候補」には2010年になったものの、推薦されない期間が長く、登録は地元の悲願だった。登録に当たり、日本政府は戦時中の朝鮮半島出身労働者の存在を含む全ての労働者に関する新たな展示をしたと表明。当時を調べてきた人たちからは、判断を評価する声などが聞かれた。
27日午後2時前。同市のパブリックビューイング会場。世界遺産委員会で登録が決まると、会場は大きなどよめきと拍手に包まれた。
「うれしいとしか言いようがない」。一般社団法人「佐渡を世界遺産にする会」(同市)の庄山忠彦事務局長(66)はほっとした表情をみせた。
韓国政府が登録賛成に回ってくれるか、最後まで不安だったという。朝鮮半島出身の労働者を含む労働者の歴史を展示することについては「事実を事実として展示すればいい」と前向きに受け止めた。
遺跡は島の西側にある。世界遺産になっても「地元の地区にしかメリットがない」といった考えが根強く、会は島全体の盛り上げに取り組んだ。将来を担う若者の関心を高めようと、鉱山の歴史や世界遺産の意義などを伝える小学生や社会人向けの出前授業や、佐渡の金銀を江戸に運ぶ際の島内ルートを市民らが歩く催しなどを度々開催。小学生が金山について学ぶ「子どもサミット」などを開いてきた。推薦からの落選が続き「いつになったら登録されるんだ」「今回ダメならやめようか」。会員からそんな声が出ても、世界遺産になる日に備え、遺跡周辺の草刈りなどを続けてきた。会員は年々増え、現在、佐渡市民ら約1300人と県内企業200社超を数える。
ユネスコ(国連教育科学文化…
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