トランプ氏は「都合よい人物」なのか プーチン氏の主張に透ける本音

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 みなさん、こんにちは。米ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が開かれました。バイデン大統領が言い間違いを繰り返したことに注目が集まり、最大のテーマだったウクライナ支援策についてはすっかりかすんでしまいました。

 バイデン氏がウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と紹介し、ハリス副大統領のことを「トランプ副大統領」と呼んだことは、ロシアでも注目を集めています。7月12日の政府系第1チャンネルの夜9時のニュースでは、首脳会議全体を振り返る枠の冒頭で、バイデン氏の言い間違いについて長々と報じました。

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 ロシア外務省のザハロワ報道官は、自身のSNSに次のような皮肉を書き込みました。

 「バイデン氏は、ウクライナの大統領としてプーチン氏を紹介した。米大統領選へのロシアの介入は覆い隠せなくなってしまった。『クレムリンの手』によって操られている親ロ派の大統領候補だ」

 いつものこととはいえ、品が良いとは言えない冗談です。

 ロシアの政府系メディアや、ザハロワ氏のような対外発信担当者にとって、アメリカ大統領の失態は蜜の味です。

 まじめな話をすれば、米国や日本をはじめとするウクライナを支援する国々や、自国に不都合な国際機関の権威をおとしめることは、ロシアの一貫した戦略です。フェイクニュースの拡散を含むさまざまな情報工作や、プーチン氏に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子氏らを対象にした指名手配のような嫌がらせは、バイデン氏を小馬鹿にする態度と、根っこでつながっています。

 ではプーチン氏自身はバイデン氏のことをどう語ってきたのでしょうか。

 プーチン氏は今年2月14日に国営テレビが報じたインタビューで、バイデン氏とトランプ前大統領のどちらがロシアに望ましいかを問われて「バイデン氏だ」と答えました。

 プーチン氏はその理由について「より経験豊富な人物で予測しやすく、古いタイプの政治家だ」と説明しました。

 もちろん、これを額面通り受け取ることはできません。このやりとりの前にプーチン氏はバイデン氏について、次のようなことを語っていたのです。

 「私は3年ほど前にスイスでバイデンと会った。このときすでに彼は判断能力がないと言われていたが、そんな様子は見えなかった」

 「確かに彼は用意された紙を見ながら話していた。だが正直に言えば、私だって紙を見る」

 「彼はヘリコプターから降りるときに頭をぶつけたという。だが、頭をどこにもぶつけたことがない者などいるだろうか。ぶつけたことのない者が、まず彼に石を投げなさい」

 最後の言葉の元ネタは、聖書に出てくる有名なイエスの言葉「罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい」です。

バイデン氏に対する自身の優位性をアピールしたい

 これ、明らかにバイデン氏を…

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