世界中の複合機に「高野口パイル織物」 社長「評価される技術ある」

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大野博
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 世界の市場規模が400万台前後とされる高速複写機複合機)。その6~7割に、和歌山県橋本市高野口町の町工場で製造された織物が使われているといいます。衰退しつつある工場街で、「高野口パイル織物」の伝統に根ざしながら気を吐く会社を訪ねました。

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 時は1971年にさかのぼる。普通紙(PPC)複写機の特許を持っていた米ゼロックス社が、当時は主流だったウサギの毛皮に代わるクリーニングブラシの材料のコンペを実施した。そのころは動物愛護の声はいまほど大きくはなく、複写機の需要が急拡大し、ウサギの養殖が追いつかない、という事情だったようだ。

 PPC複写機は、原稿をレンズや鏡で読み取って感光体に情報を書き込み、感光体にトナーという粉をつけて紙に移す仕組み。クリーニングブラシとは、紙に移らずに感光体に残ったトナーを拭き取る部品のことだ。

 高野口伝統の技術力をバック…

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