若宮神社でおん祭の事始め「流鏑馬定」 今年は差上状を授与
上田真美
平安時代から続く伝統行事「春日若宮おん祭」の事始めにあたる「流鏑馬(やぶさめ)定(さだめ)」が1日、春日大社摂社の若宮神社(奈良市春日野町)であった。
流鏑馬定は江戸時代まで、流鏑馬の奉仕責任者を決めるために執り行われていた。明治時代に入り一時途絶えていたが、1985年に稚児流鏑馬とあわせて再開された。
この日は奉仕をする大和士(やまとし)参勤春日講の幹事6人が、かみしも姿で若宮神社に参拝。神事と神楽の奉納に加えて、今年はかつての行事の趣旨にちなみ、代表の飯田喜代視(きよみ)さんに春日大社の花山院(かさんのいん)弘匡宮司から、責任者であることを伝える「差定状(さじょうじょう)」が手渡された。
飯田さんは「謹んでお受けしました。お祭りが無事催行されるよう、我々もがんばっていきたい」と話した。
おん祭は平安時代後期の1136年に始まったとされ、今年で889回目。12月15~18日に主要な神事があり、同月17日には時代装束に身を包んだ約1千人と馬約50頭の行列が市の中心部を歩く。
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