子どもに投票権、1人1票に反するか 考える補助線は女性投票の歴史
日本維新の会共同代表の吉村洋文・大阪府知事が、0歳児からの選挙権を党の公約に盛り込む方針を示した。成人するまで親が選挙権を代行するので、子どもが多いほど投票数が増え、1票の不平等が起きるとの批判も起きた。0歳児選挙権の何が問題なのか。それは容認される余地はないのか。法哲学者の瀧川裕英さんに聞いた。
◇
デモクラシーにおいて、「1人1票」は重要な基本原則と考えられています。19世紀英国の哲学者ジョン・スチュアート・ミルが、社会的地位の高い人に複数の投票権を与える「複数投票制」を提唱しましたが、実現しませんでした。
ミル自身も懸念したのは、ある人に投票権を複数与えると、1票しか与えられない人を「十分承認していない」ことになってしまわないかということです。これは今も十分に留意すべき問題です。承認の不平等をもたらすような制度は、社会では許容されません。
この点で、「子ども投票権」はどうでしょうか。
子どもは幼児の段階では自ら…
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら
- 【視点】
子供の投票権。確かに理屈の上では子供の投票権を親が代行しているのはわかります。けれども、0歳児の場合などは本人に確認することはできず、実際にはどちらか、もしくは両方の親の判断で2票を投じるわけですよね。「親である自分は自民党に投票するけど、
…続きを読む