国内初開催6日間マラソンで662キロ走破 泣きながら見えたものは

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小幡淳一

 途中でやめる理由はいくらでもあった。でも、走り続けた。青森県弘前市の市運動公園で5月20~26日に開かれた「第3回弘前24時間走/48時間走/6日間走選手権」「100キロウルトラマラソン」。国内で初めて開催された6日間走の部に記者(54)も参加した。限界に挑み、すべてを出し切った144時間。新たな扉を開いた気がした。

 一昨年の24時間、昨年の48時間に続いて3回目の参加。数日掛かかる500キロ超のジャーニーランは何度も完走しているが、周回コース(1.25キロ)を延々と走り続けたことはない。

 津軽の郷土料理やかき氷まで提供される充実のエイドステーション。シャワーはいつでも使え、夜間は浴場がある。トイレも困らない。季候が良く、走ることに集中できる環境は整っている。

 序盤は順調だった。24時間と48時間ではそれぞれ自己記録を上回った。3日掛からずに400キロを達成。憧れのランナーから「2日目でペースが落ちていないのは小幡さんだけ」と言われた。レース中に分析までしているのに驚いたが、素直にうれしかった。

月曜に始まり、終わるのは日曜。食事や休憩、お風呂も必要だ。周回コースをグルグル走り続けながら、生活もしなければならない。すべてが初めての体験。想像通り、簡単なレースではなかった。

 体幹を鍛え、5月の大型連休…

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この記事を書いた人
小幡淳一
前橋総局
専門・関心分野
事件、マラソン、防災、農業、料理