「お金じゃない何かがあるねん」 ゆる~い仕事場 京都にできました
カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
いつ来ても、いつ帰ってもいい。そんな仕事場を作りました。仕事に慣れても悩みが深まる入社3年目の社員には、すごろくで行き先を決める「家出旅」をプレゼント。4週間連続で休める、その名も「フーテンのトラさん制度」の取得率は何と100%です。
たくさん働いてもいいし、おしゃべりだけでもいい――。社長の斉藤徹さん(46)から、新しく作る仕事場を任されたとき、11年のキャリアを持つパートのゆりちゃん(53)は思った。「そんなにアバウトで、ホンマに誰か来るん?」「そもそも、仕事回るん?」
その仕事場「ACWA(あくわ) BASE(べ~す)」は2023年2月、京都府久御山(くみやま)町の住宅街にオープン。入院患者や特別養護老人ホームなどの入所者から洗濯物を預かり、本社工場で洗って乾かす。それを畳んで袋詰めにするのが仕事だ。洗濯物は1人分ずつネットに入った状態で届き、一つ仕上げると50円もらえる。
当初の心配をよそに、口コミで人が集まり、今では16~83歳の65人が登録。ゆりちゃんがほぼ常駐し、その日の「出勤状況」を見ながら、本社工場から運び入れる洗濯物の量を調節する。
週4日で始まったが、誰からともなく「もっと畳もうや」と言い始め、今では週6日。「どうせ正月、暇やしなー」という声まで上がって、今年は1月2日から開けた。
最高齢のせっちゃん(83)は、家から300歩で仕事場に着く。「年寄りやからな、1時間に仕上げられるのはせいぜい7個。でも、90まで働くでー」。まりちゃん(77)は「家におってもテレビの番してるだけやもん。ためたお金で冷蔵庫買うわー」。
じゅんちゃん(58)は掛け…
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