住宅、教育、老後…50代にのしかかる「おカネの不安」と格差の現実

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編集委員・中川透

 人生100年時代の折り返し世代・50代の「懐事情」が厳しい。2023年の総務省「家計調査」によると、50代の平均貯蓄は1705万円と2年続けて減った。収入は下り坂にさしかかり、住宅ローンや教育費の負担を抱えつつ、老後資金の蓄えも……。心配が尽きない50代の「おカネまわり」をデータから探った。

 家計調査で調べている貯蓄や負債を年代別にみると、世帯主が50代の家庭(2人以上世帯)は23年、住宅ローンなどの負債が平均715万円で、貯蓄は1705万円だった。負債は前年から15%増加。住宅・土地関連の負債が94万円増えていた。

 貯蓄額で目立つのは「格差の広がり」だ。分布をみると、4千万円以上が約11%いる一方、100万円未満が約10%。20年前(03年)と比べ、4千万円以上の比率はほぼ同じだが、100万円未満は当時の約7%から増えた。1千万~2千万円前後の「中間層」が減り、二極化の傾向がうかがえる。

 50代の「投資」はどうか。

■50代にのしかかる教育費負…

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この記事を書いた人
中川透
編集委員

くらしとお金(資産運用、不動産、相続など)