少子化の現実直視し定数減、戦いの見直しを 元防衛次官が抱く危機感

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聞き手 編集委員・藤田直央

 陸海空の自衛官の定数(定員)はいま約24万人。安全保障環境の悪化による「需要増」と少子化による「供給減」のせめぎ合いで、近年は横ばいが続くが、実際の人数は約2万人も下回り続けている。元防衛事務次官の黒江哲郎氏は今後、若者の採用がより難しくなっていく現実を直視し、「定数を減らすべきだ」と主張する。その考えを聞いた。

 ――少子化で自衛官をどう確保するか、「背広組」と呼ばれる防衛官僚の元トップとして昨年、防衛省の有識者会議に参加しました。

 日本全体が深刻な人手不足です。危険で厳しい任務を担う自衛隊は、民間企業や他の公的部門との激しい人材獲得競争にさらされています。いかに自衛隊の魅力を高め、採用対象を多様にするか。有識者会議は、給与や生活・勤務環境の改善や再就職支援の強化、新規入隊募集の新卒以外への拡大、優秀な人材の中途採用などを提言しました。

 防衛省がさっそく対応し、2…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史