中学部活動「ヒップホップ禁止令」生徒ら泣いて抗議 国会で論議も

有料記事

編集委員・森下香枝

 東京都千代田区立・麴町(こうじまち)中学校で、ダンス部の部活動をめぐって保護者が区の教育委員会に抗議文書を提出する異例の事態になっている。生徒の自主性を重んじる教育改革で有名になった麴町中。だが今回は、学校による事実上の「ヒップホップ禁止令」が発端で、国会でも取り上げられた。なにが起きているのか。

 5月下旬、麴町中の保護者46人から区の教育委員会に対し、ダンス部がヒップホップダンスを発表する場がなくなり、生徒が精神的苦痛を受けた、などとして抗議する文書が提出された。

 保護者らへの取材によると、麴町中ダンス部はここ数年、毎年5月の体育祭と10月の文化祭「麴中祭」でヒップホップダンスを披露してきた。発表に向け、部員たちは週2回、ヒップホップ専門のコーチから指導を受けてきた。

記事後半では、学校の見解や専門家の見方をお伝えします

 ところが昨年、学校側が「今…

この記事は有料記事です。残り2481文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
森下香枝
編集委員|中高年問題・終活担当

終活、中高年のセカンドライフ、事件など

  • commentatorHeader
    藤田結子
    (社会学者)
    2024年6月12日10時59分 投稿
    【視点】

    私も「ヒップホップ禁止令」に抗議したいです。いまどき小学生も休み時間や放課後にラップをしている時代に、「大会を目指すべきだと思い創作ダンスに」「ヒップホップは部活でなくてもいい」という理由では、学校側の押しつけに聞こえ、生徒側からは納得でき

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2024年6月12日11時30分 投稿
    【視点】

    生徒の気持ちや考えに耳を傾けず、一方的に禁止する学校側の態度が教育的ではない。涙ながらの訴えというのは、生徒による主体性の発露である。どうしてもやりたい、続けたいと、やむにやまれず勇気を持って一歩を踏み出したこの行動を、いったん受け止めもせ

    …続きを読む