私をお兄ちゃんと呼んだ「Keiko」信じて送った1千万円はどこへ

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宮坂奈津

 SNSを通じて投資をもちかける詐欺が後を絶ちません。堀江貴文さんや前沢友作さんら有名実業家が参加するとうたう架空のセミナーに誘い込み、投資金をだまし取る手口が知られるようになりました。一方で、メッセージのやりとりを重ねてあっという間に距離感を縮めてくるコミュニケーション力も特徴です。読者と記者がつながる#ニュース4U取材班に被害者から投稿が届きました。その巧妙なやり口とは――。

 沖縄県に住む無職の男性(75)は人間関係を広げたいと2年前からフェイスブックを始めた。交流目的だったので知らない人からのメッセージも積極的に開くようにしていた。

 今年3月5日、「Keiko」と名乗るアカウントから初めてメッセージが届いた。

 「友だちになれてうれしい」「どこに住んでいますか」

 そんな言葉が届いて、翌朝6時ごろQRコードからLINEのアカウントも交換した。

 「山田慧子」と名乗るその人物は、42歳だという。幼いころに両親が離婚し、自身も結婚に失敗して今はひとり暮らしだと打ち明けた。

 生い立ちの不遇を気の毒に思い、不審には感じなかったという。「これからは幸せになってください」などと男性は返信し、自分の生年月日や家族構成などを伝えた。

 「今日の予定は」「昼ご飯は食べたか」「これから外出する」

 直後から男性のLINEに頻繁に自らの予定を知らせてきた。

 いつのまにか、Keikoから「お兄ちゃん」と呼ばれるようになっていた。「戸惑ったが、嫌ではなかった」

 お金の話が最初に出たのは…

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