ふるさと納税返礼品、偽装見逃さぬ 成分検査で産地をチェック
ふるさと納税返礼品の産地偽装を受け、宮崎県都城市は委託する事業者の返礼品の抜き打ち検査で、細かい産地までわかる成分検査を導入する。5月下旬にも始める全事業者への立ち入り調査とともに、寄付者の信頼回復につなげる狙いだ。
今年度委託する150事業者を対象とした22日の説明会で明らかにした。
市によると、抜き打ち検査は寄付をした形でランダムに返礼品を取り寄せ、適切な梱包(こんぽう)か、表示に欠落がないかなどを調べる。そのうち、産地表示が必要な食品などは、市の依頼を受けた専門機関が成分検査を実施。問題が見つかれば、返礼品を停止したり、契約を解除したりする。
各地で返礼品の産地偽装が相次いだことを受け、総務省は昨年12月の通知で、地場産品の基準や食品表示法の違反が疑われる場合は、速やかに実地調査をするよう自治体に助言した。
市は今年度、12人だった昨年度のふるさと納税担当を28人に増員し、うち14人を立ち入り調査などを実施する指導管理担当に充てた。
問題発覚前の立ち入り調査のほかに、食品表示についての事業者研修会を開いたり、表示を啓発するチラシを事業所に掲示するよう求めたりして、不正防止を図る。
市ふるさと納税局の新村和彦局長は説明会で、昨年11月に発覚した事業者による鶏肉の産地偽装に対し、約8700件の苦情や問い合わせがあったとし、「返礼品は、信頼して寄付していただいた方に安心して喜んでもらうことが最大の目的。原点に立ち返って何をすべきか見直すことが信頼回復につながる」と話した。