ニューカレドニア暴動、デモ隊が道路封鎖 病院たどり着けず死亡も

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パリ=宋光祐

 南太平洋のフランス領ニューカレドニアで、13日夜に始まった暴動による混乱が続いている。島内ではデモ隊が主要道路の一部を封鎖し、食料や医薬品の不足が目立ち始めた。暴動の引き金になった仏系住民の投票権拡大をめぐって、マクロン大統領の対応を「植民地主義」と批判する声も強まっている。

 今回の暴動は13日夜に中心都市の南部ヌーメアなどで始まった。仏治安当局などの発表によると、16日午前までに住民3人のほか、警察官2人が死亡、数百人が負傷した。現地の公共放送によると、18日には北部で銃撃戦が発生し、市民1人が死亡した。

 アタル首相は15日、島の全域を対象に非常事態を宣言。暴力をあおるメッセージを拡散しているとして、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を遮断した。仏高等弁務官事務所は19日の声明で、放火や略奪は散発的に続いていると明らかにする一方、事態は沈静化に向かっているとの見方を示した。同日午前までの逮捕者は230人を超えたという。

 しかし、仏メディアによると、ヌーメア周辺の主要道路が抗議デモの参加者に封鎖されているため物資輸送が滞り、食料や医薬品の不足が深刻化している。ヌーメアの病院関係者は17日、仏公共放送の取材に、治療を受けられずに亡くなった患者が複数いると明らかにした。

 今回の暴動は、仏政府が仏系…

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