ハイカラで高級、神戸元町商店街が150年 にぎわい続ける秘密は?

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宮坂奈津 杉山あかり 原晟也 原野百々恵
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 神戸の中心を東西に延びる神戸元町商店街(神戸市中央区)が20日、誕生から150年を迎える。戦争や震災など、度重なる厄災に直面しながらも、神戸の街に明かりをともし続けてきた。

かつては大名行列が通った道

 神戸元町商店街によると、商店街は1874(明治7)年の5月20日、県令によって現在の街区が「元町通」と公式に名付けられて誕生したとされる。

 大名行列も通った「西国街道」と呼ばれる道沿いに多くの店舗が出店し、商店街としてのにぎわいが形成されていった。

 現在は大丸神戸店や三宮センター街、JRの主要駅などに囲まれ、毎日多くの人が行き交う。全長1・2キロのアーケード街に東寄りの1番街から西側の3~6丁目まで計5つのエリアがあり、約300店が軒を連ねる。

 「恵まれた立地を生かして、各店舗がお客さんを呼ぶ努力を重ねてきたことが一番です」

 150年事業実行委員長を務める、「はた珈琲店」店主の畑芳弘さん(68)はそう話す。

シンボル「すずらん灯」

 畑さんによると、まちなみづくりの基本方針は「高級・ハイカラ・エレガント」。

 風格あるショッピング・ストリートを目指し、建物やシャッターの色など、統一感を保つためのルールも定めている。

 その象徴とも言えるのが、アーケードの両脇にある「すずらん灯」だ。

 1926年に整備され、商店街のシンボルとして親しまれてきた。

 戦時中は金属供出で取り外されたが、戦後に復活。エリアによって異なるデザインで、昼間から商店街を照らしている。

 戦後の高度経済成長期を経て、バブル期には空き店舗がほぼなかった。

 しかしのちにバブルは崩壊。6丁目にある19年創業の「マルヤ靴店」の片山泰造さん(72)によると、6丁目は5軒に1軒が空き店舗になった。

「もうけ」に走らず

 それでも商店街が続いてきた…

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