【名人戦を写真で】封じ手の入った封筒を立会人に手渡す豊島挑戦者

佐藤圭司
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藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=が、挑戦者の豊島将之九段(34)に3連勝して迎えた第82期将棋名人戦七番勝負第4局(朝日新聞社・毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力・QTnet協力)が18日、大分県別府市で始まった。先手番の豊島挑戦者の趣向で、やや変則的な進行を経て、「横歩取(よこふど)り」という戦型に進んでいる。

 本局の地元主催は別府市など。今年、市制100周年を迎えた同市が記念事業として誘致した。対局者のために「別府の勝負めし」(18種の食事、13種のスイーツ、7種のドリンク)という特製メニューを用意するなど、準備万端が整う。

 18日朝、対局場の「割烹(かっぽう)旅館もみや」周辺は快晴。「高砂」という20畳の和室が対局室に充てられた。

 午前9時、立会人の深浦康市九段(52)が「定刻になりました。挑戦者、豊島九段の先手番で始めてください」と告げ、対局が始まった。

 豊島挑戦者の3手目▲1六歩が趣向の手。この端歩の1手が入ったことで、本局は、通常とは先後を入れ替えた形での「横歩取り」の戦いとなった。通常なら先手が▲3四飛と横歩を取るが、本局では△7六飛と後手が横歩を取っている。「意表の進行ですね」と日本将棋連盟専務理事の脇謙二九段(63)。

 午前10時のおやつは、両者とも「3種の柑橘(ざぼん・かぼす・ゆず)スイーツ」を選んだ。

 副立会人兼解説者の豊川孝弘七段(57)は「豊島九段が策を練ってきました。豊島九段が3手目に突いた▲1六歩の効果に注目しています」と話した。(佐藤圭司)

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